新人くんが行く

新人くん、新人を卒業する

本コラムでは、あるIT企業に就職した新入社員とその指導役である先輩社員のやり取りを通して、スキル修得に向けたアドバイスや研修受講にのぞむ姿勢を紹介します。ここでは架空の会社ならびに人物をモデルとしています。

2019年3月

3月、ようやく暖かくなってきた。
先月の飲み会で友達になったみんなとは、今も連絡を取り合っている。袖振り合うも多生の縁とは、このことだろう。仕事のこと、プライベートなこと、いろいろ話せる仲になった。久しぶりに友達が増えたかな。

そんなある日、部長から、もうすぐ1年目も終わるから、この1年の成長を部内のみんなに発表してもらいたい。その段取りを田所さんと一緒に進めてほしい、と言われた。

早速、午後に田所さんと打ち合わせをすることにした。
「私も1年目の終わりに発表会したなぁ。この部の伝統かな?2年目に向けて、1年間の活動や気持ちの変化を振り返ることで、人間的にも成長したことが実感できると思うよ。」
そういうと、ふと笑みをこぼした。
「ただね、1年目って毎日変化があったから、覚えていないんだよね。スケジュールとかメールとか、時間をかけて見直したらいいと思う。発表する内容がまとまったらメールして。」

確かに田所さんの言うとおりだ。毎日、いろんなことがあったことは覚えてるけど、それがいったいなんだったのかを整理するのはなかなか難しい。

打ち合わせ後、これまでの田所さんのアドバイスを、一通り振り返ってみることにした。

4月は、新入社員研修を受講して、田所さんがOJDになった。こんなにきれいな女性の先輩がOJDなんだと、ドキドキしたっけ。
5月6月は、Linuxの受講だった。受講後の田所さんの質問攻撃は厳しかったなぁ。今思うと、表面的な知識ではなく、本質をきちんとみろということだったんだろうな。
7月は、社会人になって初めて資格取得にチャレンジしたんだった。田所さんの勉強法は斬新だったけど、今の僕の学習方法の基本となった。
8月からは、初めてのプロジェクトに参加した。田所さん、松田さんたちと比較して、自分はまだまだだなと実感させられた。

そうそう、だんだん思い出してきた。
確か、そのあとでプロフェッショナルになることを決意したけど、年末が近くなったころからは、1年目が終わる不安が増してきて、気持ちが暗くなった。

こんな調子で1年間を振り返ってみると、本当にいろんなことがあったよなぁ。
メールを書きながら、いろんな人にお世話になった1年だったと、つくづくそう感じた。

それから、田所さんと発表会に向けて準備を進め、当日を迎えた。
当日は、部内のメンバーに加えてプロジェクトのメンバーも集まってくれた。一通り発表し、いよいよ最後のパート。ここは、田所さんも知らない内容だ。

「最後に、この1年間で大きく変わったことをまとめます。
一つ目は、あきらめないこと。わからないことをそのままにせず、突き詰めていくことで、できないことができるようになったと実感しています。
二つ目は、時間に対する意識です。この1年間、誰かの時間をもらって学ばせてもらったと自覚しています。
この二つのことをいつまでも忘れずに、2年目も頑張りたいと思います。田所さんをはじめ、みなさんこの1年間ありがとうございました。」

部長はうれしげに、「新人(あらと)くんも新人卒業だな。来年は、後輩も入社してくるからこれまで以上に頑張ってくれ。」と言ってくれた。田所さんも喜んでくれている。これで自信をもって2年目になれるかな?

4月になろうとしたころ、僕は新しいプロジェクトにアサインされ、田所さんが、隣の部門へ異動することになった。
送別会で、あの田所さんが「田所郁代が、隣の部門へいくよ。」と、たぶん人生初であろう身体をはったダジャレを言ったことは忘れないだろう。

帰りの電車でいつもの妄想タイムだ。
社会人になって、やっと1年が過ぎた。これからも長く会社に勤めることになるだろう。そして、良いことも悪いこともたくさんあるんだろう。そんなときは、この新入社員時代を思い起こして、何とか乗り切ろう。
そう、新入社員時代は、元気になる特効薬だ。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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