コンサルタントの本音

◆振り返りと定着

2015年4月

新しい年度が始まり、新入社員研修、新任マネージャー研修など目白押しに研修を企画・準備している企業も多いだろう。最近は組織改革のカギを握るとしてマネージャー職の研修に力を入れている企業が増えている。またその内容もバラエティに富み、企業側が戦略的、効果的に研修を実施しようという意図が感じられる。

企業変革のコンサルテーションの一貫として我々が研修を企画し、講師を務めるケースも増えている。最近は一回きりの研修はほとんど企画しない。インプットされた内容が受講者に咀嚼され、実行され、定着していくプロセスをサポートしていく研修を主体に提案している。たとえば戦略検討プログラムでは、戦略を検討するプロセスをいくつかに分け、学習した内容を基に自らの事業について検討し、次回までにその結果を持ってくることを繰り返すようにしている。

マネジメント研修では、リーダーシップ、目標の設定、PDCA、部下の育成など様々なことを学ぶ。しかし、それを現場で実践するのはそれぞれ異なる時期である。現実にはいつ実践するかわからないようなスキル・ノウハウもある。そのため、実際に活用すべき局面を迎えた時には、せっかく学んだ方法を忘れていたりする。これでは研修の成果が生かせずもったいない。そこで、年間でマネージャーが各月に実施すべきことを整理させ、毎月研修で学んだ内容を振り返りながら事前に準備し、現場で必要なマネジメントを行っていく。そして1か月後にその行動を振り返り、学習した内容の理解を深めるという研修を組み立てている。

つまり「学習―実践―振り返り―定着」というサイクルを短い時間で繰り返すことで能力の向上が期待できる。また、定期的にマネージャーが集まることで、横の情報交流にもなり副次的な効果もある。ポイントは、個別のケースでマネージャーが経験する課題をどう解けばいいのか、を学ぶ機会になることである。時間がなかなか取れないという声も聞くが、1か月に2時間程度であれば難しいことではない。

たとえば、2日間の2WAYマネジメント研修を実施した2か月後あたりから、9か月毎月研修(実践力強化研修)を行うと、1年後には大きな効果が期待できる。少なくとも試行する価値はあるので選抜メンバからでもぜひお試し願いたい。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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