BOSS-CON JAPANに聴いてみた

OpenStack市場動向から見る必要な人材像

BOSS-CON JAPAN理事長/CEO 吉政忠志氏にお寄せいただいたコラムです。

2017年11月

改めまして、ビジネスOSSコンソーシアム・ジャパンで理事長をしている吉政忠志と申します。今回は、「OpenStack市場動向から見る必要な人材像」というタイトルでお話しします。

読者の皆さまは、国内のOpenStackを含むクラウド基盤の市場動向をご存じだろうか。昨年末にIDC Japanが発表した資料(IDC Japan プレスリリース 2016年11月 国内クラウドインフラストラクチャソフトウェア市場予測)によると、2016年は前年比成長率40.6%で306億5,400万円になる見込みであり、2015年~2020年の年間平均成長率は31.6%、2020年には2015年の約4倍の862億円になるとのことだ。

  • 国内クラウドインフラストラクチャソフトウェア市場予測を発表 (2016年11月7日 IDC Japan株式会社)

上記の調査結果をまとめたグラフが以下である。


「出典:IDC」

このグラフを見ると、2020年の前年比成長率は125%と予測されている。2015年が150%近かったことを考えると、ゆっくりと安定市場の領域になってきているのがわかる。今の時代で、20%を超える成長が将来も維持できると予想されている市場はかなりの成長分野だと思うが、2020年には862億円の市場になるそうだ。
ここから言えることは、今後、クラウド基盤ソフトに関する人材育成のボリュームは、ますます増えるだろうということだ。
そのクラウド基盤ソフトであるOpenStackは、仮想マシンやストレージ、ネットワークなどのITインフラそのものをサービスとして提供するため、学ばなければならない領域は多岐にわたる。部分的にでも経験を積んでいるエンジニアは、不得手な部分を中心に研修などで補い、OpenStackの設定、管理、運営を学ぶのが良いだろう。
また、今の時代、クラウドを利用しない企業は稀になりつつある。そのため、ITインフラの基盤であるOpenStackの利用頻度は今後も増加するだろう。よって、OpenStackに関する知識は、経験者はもちろん、これからITインフラ技術を学び始める若手の方々にも必須になっていくのではないだろうか?

昨今、ITシステムのブラックボックス化が進み、その仕組みをよく知らずにシステムを構築し、運用している人材の増加が問題視されている。そのため、OpenStackのように、より幅広く深い知見が必要になったことは、技術者にとって体系的な学習による技術修得の好機であると言えるのではないか。その昔、メインフレームが中心の時代は、中の仕組みをきちんと知る必要があった。しかし、その当時は高額なハードウェアがなければ学ぶことはできなかった。その反面、クラウドが主流となった今は、安価または無料で仮想マシン環境を自社でも用意できるようになった。研修後に自社に戻り、仮想マシン環境を作っては壊しの繰り返しで学ぶことができるようになったのも、今の時代ならではのことだと思う。

管理者や人材育成担当の皆さまには、将来も活躍するプロフェッショナルを育成するべく、OpenStackと関連技術を多くのエンジニアに学ばせることをお勧めしたい。
OpenStackに興味がある方は、NECマネジメントパートナーOpenStack教育コースを見てほしい。

■著者紹介
BOSS-CON JAPAN理事長/CEO、吉政創成株式会社 代表取締役
吉政 忠志 氏

IT系各業界のトップベンダー・トップベンチャー企業を中心に約20年間、新規事業の立ち上げや戦術転換によるV字回復を多く経験。日本のIT業界の発展のためには人材の好循環とそのための教育機関の発展が重要であるとの考えから、教育分野にも尽力している。PHP技術者認定試験、Pythonエンジニア認定試験、XMLマスター、Turbo-CEの初代責任者も歴任し、合格者を5千人以上輩出した日本発の民間IT資格を複数立ち上げた唯一の日本人として教育分野での実績を持つ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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