BOSS-CON JAPANに聴いてみた

国内サーバOSシェアに異変!Linuxサーバ急拡大

BOSS-CON JAPAN理事長/CEO 吉政忠志氏にお寄せいただいたコラムです。

2017年9月

最近、サーバOSシェアがとんとニュースにならなくなった。
メディアなどのニュースでもサーバOSのシェアの話はほとんど見かけなくなった。なぜだろうか?多くの人は「もうニュースにする価値がなくなったからだ」と思うであろう。

ただ、私は違う理由があるように思えてならない。
以前はクラウドや仮想基盤があまり普及していなかったため、サーバOSのシェアはサーバ機の出荷台数でおおよそ割り出せた。サーバ機にインストールされているOSでおおよその数字が把握できた最後の時期のシェアは、Windows 45%、Unix 30%、Linux 20%、その他 5%、といった感じだったと思う。おそらくほとんどの人は、今もそのように思っているのではないだろうか。

しかし、時代は変わったのである。仮想環境や稼働環境で、Linuxはボタン一つで簡単にサーバを設置することができ、いくらでもクローンを作れるようになった。一方Windowsはライセンスが発生するため、手軽さが圧倒的に違うのである。
Ubuntu、CentOSなどフリーOSもあるLinuxは、いつしか圧倒的なシェアを持つようになったのではないだろうか。このように曖昧な書き方をしているのは、信頼性が高い第三者による調査データを見つけられていないからである。

「2016年 Linux Windows Unix サーバ シェア」で検索をするといろいろなデータが出てくる。

  • Windows導入率 9%減少、Linux14%上昇し、Linux導入率79%に
  • Linuxシェアが96.6%に到達 Windowsは1.7%に
  • Linuxシェア74%、Windowsシェア18%に

上記の数字にはかなりばらつきがあるが(数字のばらつきは測定方法に依存する)、総じてインストールベースではLinuxがWindowsを超えたことを示していると言えそうだ。

金額ベースでのシェアを見ると、Linuxの大半は無料で使用されているため、Windowsがシェアを持っているはずだ。ただ、もしあなたが人材育成担当者であるならば、インストールベースのシェアに着目してほしいと思うのである。理由は、インストールの分だけエンジニアの仕事があるからだ。
人材育成を担当されている方々は、果たしてWindowsとLinuxのどちらに教育コストを割いているだろうか?これについて特に調査データはなかったが、おそらくWindowsの方ではないだろうか。

ちなみに、世の中には教育コストとトラブル発生率を調べたデータが存在するのをご存知だろうか。興味がある方は、「教育コストが3%未満の会社はトラブルが多いというIDCデータ」を検索してみるとよい。失敗プロジェクトを抱える42%の企業が、教育への投資が3%未満なのである。
皆さんのところではLinuxに教育コストをどれくらいかけているだろうか?また、Linuxのビジネス規模はどれくらいあるだろうか。Linux関連の売り上げに対して教育コストが3%未満の場合、トラブルが発生しやすいリスクを抱えているということになる。もし、まったく教育を受けさせていない場合は...、もう言うまでもないことだ。

以上、私が日ごろ思っていることを述べた。このコラムを読まれてLinuxに興味を持たれた方は、NECビジネスインテリジェンスのLinux教育コースを見てほしい。Linux業界の黎明期から実施しているノウハウと実績豊富なコース群が揃っている。

■著者紹介
BOSS-CON JAPAN理事長/CEO、吉政創成株式会社 代表取締役
吉政 忠志 氏

IT系各業界のトップベンダー・トップベンチャー企業を中心に約20年間、新規事業の立ち上げや戦術転換によるV字回復を多く経験。日本のIT業界の発展のためには人材の好循環とそのための教育機関の発展が重要であるとの考えから、教育分野にも尽力している。PHP技術者認定試験、Pythonエンジニア認定試験、XMLマスター、Turbo-CEの初代責任者も歴任し、合格者を5千人以上輩出した日本発の民間IT資格を複数立ち上げた唯一の日本人として教育分野での実績を持つ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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