コンサルタントの本音

◆社会に価値を提供する

2016年6月

地球上で急激な人口増が進んでいる。現在の世界の総人口は72億人である。これは、資金投入や経済的支援を含めさまざまな援助により、貧困層に対する医療不足を補い死亡率を下げてきたことによる素晴らしい成果だが、依然として、世界の総人口の1/6にあたる12億人が1日1ドル以下で生活せざるを得ない貧困層であることは意識しなければならない。

一方で、人口増そのものが、これまでの社会問題を深刻なものにしていることも否めない。人が生きて行くためには、食料が必要である。これまでは農業技術の急速な発展によって食糧を増産して対応してきた。その半面で、農作物の生産のために、多くの水を消費し、土地を開墾し、大量の化学肥料を使ってきた。淡水の多くが農業用水として使われ、水不足による地域や国同士の争いを引き起こし、開墾による森林の伐採は地球温暖化を助長し、肥料として蓄積した窒素化合物は自然災害で流れ出し海の汚染につながっている。

人口の抑制は急務である。子供が死ななくなれば、働き手として生涯持とうとする子供の数が減る可能性はある。しかし、人口の抑制のためには、働き手として子供に期待するのではなく、親が働き、収入を得られるようにしていかなければならない。そして、一定の経済環境が整えば、経済発展の階段を上り、豊かな国への道を歩むことができる。

社会課題を解くために企業に求められるのは、水不足の問題など個別の問題の解決だけではなく、現地で事業を起こし、継続させ、現地雇用を進めていくことである。それも社会的責任としてではなく、経済合理性をベースに事業として進めていくことである。そして、そこで得たノウハウや技術をグローバルビジネスに活用する技量が必要になる。

社会課題についてウェブで調べると、さまざまな情報を収集できる。良書がある。学ぼうと思えばいつでも学べる。

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