コンサルタントの本音

◆意思決定プロセス

2015年7月

リーダーシップ研修で好評な内容の一つに意思決定プロセスがある。意思決定には三つの視点が必要である。一つは正しく意思決定すること、二つ目は意思決定を受け入れてもらうこと、三つ目は残された時間を考慮することである。これら三つの要素をプロセスに組み入れて適切に意思決定を行うことを鍛える研修である。

現代の複雑な事業環境では先を見通すことができなくなっているので、正しく意思決定することよりも意思決定を受け入れてもらうことを重要視するケースが増えている。意思決定を受け入れてもらうためにはフェアプロセスという概念を理解しておくと良い。フェアプロセスは、「ブルーオーシャン戦略」の中で、W・チャン・キムが唱えたもので、意思決定がフェアであるほど、メンバーの意思決定の受け入れは進むということだ。

そのフェアの視点は3つある。1つは、意思決定プロセスで自らの意見を伝えたり、議論をする場が用意されていること。2つには、なぜそのような意思決定がされたかが説明される機会があること。最後に、意思決定内容に対する社員への期待が表明されていることである。

この三つが揃っていると、たとえ決定事項に納得いかなくても受け入れることができる。一方、いかに決定事項が妥当だと思っても、意思決定プロセスがフェアに提供されていないと受け入れにくい。

日本企業の場合、いまだに決定事項が伝えられるだけで、議論のプロセスが見えないケースがある。これをアンフェアという。意思決定後の行動が遅い原因には、こうした背景がある。幹部同士で徹底的に話し合うのも重要。しかし、重要事項だからといってすべてを秘密離に議論するのは課題が残る。また秘密にするつもりではないが、伝えようとしないことは結果的にアンフェアになる。こうした組織はブルーオーシャン戦略が取れず、レッドオーシャン型の価格競争を強いられることになる。貴社の意思決定プロセスにもメスを入れる必要はないだろうか?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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