T氏のすべらないコラム

◆うその限界

2015年7月

「あだ名の命名」で再ブレークした有吉弘行氏の代表作のひとつに、「こりん星」から来た姫だと称していた「ゆうこりん」こと小倉優子さんにつけた「うその限界」がある。小倉さんは、この命名をきっかけに「こりん星」を卒業したが、「うその限界」何するものぞと「UFOに乗って地球に降り立った」と称し、そのフィギュアが米国で800万体以上売れているラスベガス在住の日本人女性がいる。「プリンセス・テンコー」こと引田天功さんだ。

この引田天功は二代目で、大脱出マジックや催眠術で人気を博した男性が初代だ。この初代が、後に大阪府知事となる横山ノック師匠に「選挙に立候補して演説中」という催眠術をかけ、「3, 2, 1!」というお定まりの掛け声で術がスタートしたことがある。ノック師匠、おもむろにマイクを取り上げ、「有権者に訴えたいのは...」とまくし立てたが、ゲスト出演していた当時若手の笑福亭鶴瓶師匠は怪しみ、「うそやろ! ほんまはかかってへんやろ!」と茶々を入れた。ノック師匠の演説中にCMタイムとなり、初代天功お約束の 「3, 2, 1! 裏番組を見ると頭が痛くなる」という台詞でCMに入った途端、催眠術にかかっていたはずのノック師匠が「邪魔や!あっち行け!」と鶴瓶師匠を叱り、CM後また「演説」を再開したそうな。

ノック師匠が大阪府知事なら、米国カリフォルニア州知事だったのが現在主演作「ターミネーター: 新起動/ジェニシス」が公開中のアーノルド・シュワルツェネッガーだ。「ターミネーター」はシュワルツェネッガーの出世作とされるが、第1作では彼は悪役であり、主演で真価を発揮したのは「コマンドー」からといっていい。この映画は精鋭部隊コマンドー元隊員が次々に殺害され、それをかつて上司だった将軍が退役して娘と隠棲している元隊長(シュワルツェネッガー)に伝えるところから始まる。娘が敵に誘拐されたことからシュワルツェネッガーも事件に巻き込まれ、最後は娘を奪還、敵を殲滅というストーリーだ。将軍は敵を殲滅した元隊長に "I'd like you to start up your unit again, John. All it would take is your coming back." 「君の部隊を再開したいね、ジョン。必要なのは君の復帰だけだ」と持ちかけるが、元隊長は "This was the last time." 「これが最後です」と答え、さらに将軍が "Until the next time." 「次回まで(また次の機会に会おう)」と言うのに "No chance."と答えて終わる。「見込みなし」「確率ゼロ」というわけだ。TV初放映時の吹替では将軍が「もう一度やるか?」と呼びかけ、「たくさんだ!」と応じている。実際「コマンドー」に続編はなく、"I'll be back." という台詞でおなじみの「ターミネーター」はシリーズ化された。しかし、"I'll be back." もやりすぎると「うその限界」となりそうで・・・。

今月のクイズ(正解は来月号に掲載)

  1. 初代引田天功の大脱出マジックで「天功さん、死んじゃいや!」と泣き叫び、「ビートたけしのオールナイトニッポン」でネタにされた人物は?
  2. 横山ノック参院議員初当選時の選挙で日本選挙史上最高得票(当時)で当選し、後に落選者としての最高得票も記録した人物は?
  3. アーノルド・シュワルツェネッガー主演「サボタージュ」の原作者は?

先月のクイズ正解

  1. 幻夜
  2. 綾瀬はるか
  3. ノラ・ミャオ(苗可秀)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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