T氏のすべらないコラム

◆こじらせ女子はヘビー

2014年11月

今クール話題のTVドラマ「きょうは会社休みます。」で主演の綾瀬はるか演じる青石花笑は「こじらせ女子」だそうな。これは「自分の女性としての魅力に自信がなく、アピールが苦手な女子」といった意味の現代語だが、30年前にこの言葉を聞けば「風邪をこじらせた女子」としか思わないだろう。というかそもそもドラマでは30歳(原作の漫画では33歳)の青石花笑を「女子」というのも30年前なら?と言っていい。
ドラマでは9歳下のイケメン大学生と付き合うことになる花笑が「重い女にならないように」と忠告され、「重い女ってなんぞや?」と考え込む。この「重い」はもちろん体重のことではなく、「うっとうしがられる」的な意味合いだ。

1985年から30年前にタイムスリップする映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の名コンビ、マーティとドクの会話では heavy という言葉に関する取り違えが笑いを誘う。1955年当時の heavy は「重量が重い」と解釈す るのが普通だったが、30年後の世界では「きつい、困る」といった意味で高校生の間で連発される俗語となっていたからだ。
女子高生当時の未来の母親と出会ったマーティはドクから意外なことを言われ; "Are you trying to tell me that my mother has got the hots for me?" と確認する。日本語でも「(異性に)熱を上げる」という表現があるが、英語も get the hots で同じ意味となる。つまり、「僕の母親が僕に恋してるというの?」と驚くマーティにドクは故児玉清(というか博多華丸?)ばりに "Precisely." 「その通り!」。そこで、マーティは"This is heavy." とやり、ドクが "There's that word again. 'Heavy.' Why are things so heavy in the future? Is there a problem with the Earth's gravitational pull?" 「また『ヘビー』か。未来では何故そんなに物が重いのか?地球の重力に問題でも起きるのか?」とボケる?といった具合だ。
こんな掛け合いを交えつつ、マーティは自分の両親の出会いを図らずも邪魔したため、未来の自分が存在しなくなる危機に直面する。1985年の世界から持ち込んだ写真に変化が現れるのだ。兄と姉、そしてマーティの写った写真から兄が消えかけている。ドクによれば「次は姉さん、そして損なった過去を修復しなければ君も消えてしまう」――そして無事過去を修復したマーティが1985年に戻る直前、未来の母が尋ねる――"Marty, will we ever see you again?" 「マーティ、また会えるかしら?」――マーティの答えはビジネスシーンで提案の実現の可能性を問われた時等に是非言ってみたい台詞――"I guarantee it."

今月のクイズ(正解は来月号に掲載)

  1. 綾瀬はるか主演でTVドラマ化、堀北真希主演で映画化、さらに韓国でも映画化された小説の作者は?
  2. 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でマーティが着ていた衣類に名前が記されていたためマーティの名前と誤解されるブランドは?
  3. やはり未来から持ち込んだ写真の人物が消えかかる場面のあるタイムトラベルストーリーで綾瀬はるかがヒロインを演じたTVドラマは?

先月のクイズ正解

  1. 朱美ちゃん
  2. 一青窈
  3. ニコール・キッドマン

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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